ゲームの中古販売について

「私達はゲームの中古販売を認めません!」的な広告をたまに
見かける事があります。
一般ユーザーにとっては大事な購入先である中古ゲーム店を
大部分のメーカーは認めていません。
一体、どんな根拠があっての事なのか?また現在の問題点は
どこにあるのか等を考えてみたいと思います。

○ナゼ中古販売がいけないのか?
あくまでもメーカー側の立場の話になるのですが、中古販売で
はメーカーが1銭も儲からないと言うのがその理由の簡単な説
明になります。
メーカーは1度売ってしまった後はその商品がどこを流通しよう
が少しのお金も手に入れる事が出来ません。
また、中古販売があるために新品の買い控えが起きるのも中古
販売を快く思わない理由の1つです。

○その理論は正しいのか?
では「メーカーが損をするから」と言うだけの理由で中古販売を
さしとめると言うのは正しい考え方でしょうか?。
例えば音楽CDは中古販売をやっていますがアーティストの元
にはお金が入っては来ません。
音楽CDで認められている事がゲームだと駄目と言うのはおかし
く無いでしょうか?。
そもそも電化製品や車だって沢山の人が関わってて、中古で売ら
れてもメーカーには1円も入らないんですけどねぇ・・・。

○メーカー側の言い分は?
音楽CDの中古販売に対しては「歌手はコンサートやカラオケ等
の2次収入がある為、それほど大きな問題にならないが、ゲーム
にはそれが無い」と言うのがメーカー側の言い分です。
また、「製作過程における金銭面、稼動人数、稼働時間などを
考えると音楽CDと言うよりは映画に近くその為、映画に相当する
保護を受けるのが妥当である」と言うのも大きな言い分になってい
ます。

○その言い分は正しいのか?
昔だったらいざ知らず、最近のゲームには2次収入でもっている
物すらあります。
ポケモンなどは明かに2次収入の方が莫大な金額になっていま
すし、FFや恋愛シミュレーション系のグッツ販売も大変な収入に
なっていると思います。
映画と同等であると言う考えには取り合えず賛成ですが・・・。

○2次収入があって映画と同等ならば?
もし、メーカーがゲームを映画と同等のメディアというのであれば
レンタルを認めるべきでは無いのでしょうか?。
レンタルを認め、そこでマージンを取るのが「映画と同等のメディア」
の妥当な姿なのではないのでしょうか?。

○余談
以前(大昔ですが)はゲームのレンタルってあったんですよ。
(ドリキャス、ネオジオ以前の話です)
ですがコピーが横行すると言う理由で無くなりました。
レンタルをなくす時のあるメーカーの言い分は
「今のゲームが高いのはレンタルによるコピーユーザーがいるから
だ。レンタルが無くなればゲームは安くなる」でした。
その後、レンタルが無くなるとそのゲームメーカーはバカみたいに
高いシミュレーションゲームを沢山出しました。
もう「オランダ妻は電気ウナギの夢をみるか?」なんてエロゲーは
出さないんでしょうか?(笑)。

○では、中古販売をどうすべきか?
どうしても、中古販売を認めないのであれば古いゲームをゲーム
メーカーが下取りするべきでは無いのでしょうか?。
下取りの代価をお金にはしないで自社製品のクーポン券にする
等の措置をとることは不可能なのでしょうか?。
また、ある時期を過ぎたゲームは定価を下げて売るべきでは無い
のでしょうか?。
中古の値段だからユーザーが買うのに、中古があるから売れない
などと考えるのは思いあがりも良いところです。

○ここまで考えを進めると・・・
「だったら各メーカー共同で下取りシステムを組上げてクーポン券
を共通にしちゃえばいいじゃん!」
って考えるのが自然な成り行きですね。
でも、他の企業に中古販売を規制しておいて自分達でそれに代わ
る大きな団体を作っちゃったら独占禁止法に引っかかります(笑)。


ざっと考えただけでもコレだけの問題点があります。
代替案も出さずに「とにかくメーカーが損するから禁止」と言う態度は
ユーザーの利益を考えずに自分達の理論だけで規制をかけようと
言う印象が非常に強く感じられます。

個人的には中古販売は有って然るべきだと思っています。
CDだって、(元)レンタルビデオだって、家電だって中古販売して
いるのにゲームだけ別扱いでは納得が行きません。
悔しかったら中古屋に売りたく無くなるようなゲームを作るべきだと
思いませんか?。
自分の仕事に映画並の自信が有るならレンタルを始めて、ゲーム
の値段をセルビデオ並にするべきだと思いませんか?。

そもそも早解きをして中古屋に売っちゃうようなゲームの遊び方を
提唱した部分のメーカーとしての反省をするのが、その遊び方を
否定するよりも先にする事ではないでしょうか?。