ポケットピカチュウ考察

初売りでポケットピカチュウカラーを買いましたんでそれについての考察を・・・。
(実際に遊んだのはカラー版のみですのでここではカラー版を対象として話を
進めていきます)


「枯れた技術の水平思考」と言うのはゲームボーイの生みの親で知られる
横井軍平さんのお言葉。
太陽電池を銃型イターフェースに使ったり、当時はまだ電卓の表示にしか
使い道の無かった液晶をゲームに使ったりした職人の真髄がこの言葉には
隠されています。
ポケットピカチュウで遊んでみて真っ先に感じたのはソコでした。

誰しもがコレが出たときはこう考えたと思います。
「万歩計とゲームを連動させて面白いの?」って。
でも実際にはピカチュウの可愛らしさも手伝ってOLにも大ヒットしました。
万歩計はどうやら面白かったのです!。

実は世の中には面白さを目的とした物以外でも面白い物はたくさんあります。
例えば自動改札。
アレを通る時にちょっとしたゲーム感覚(タイミング系の)を味わう事ができます。
例えば回転寿司。
注文すれば良いだけなのに目の前で狙っていた皿を取られる悔しさは対戦
ゲームのソレにちょっと似ています。
例えば流しそうめん。
実際にはやった事ないんですが、あの食べ物はナゼ味とは違う次元で一度は
やって見たいと思わせるのでしょうか?。

万歩計も同じ様に”楽しい”と思わせる要素を含んでいます。
誰かと競争していればなおのこと面白いんですが、一人遊びとして考えてみ
てもそれなりに面白そうな事は想像つきます。
そんな万歩計にピカチュウとのコミニュケーション性を付け加えてゲームにして
しまったのがポケットピカチュウなのです。
万歩計と言うありふれた技術と少ない分岐によるインタラクティブ性を組み合わせ
るだけでコレほどの遊びを提供できるとは「枯れた技術の水平思考」の実践と
言うしかないと思います。

更に・・・。
ポケットピカチュウは子供のオモチャである事を十分に考慮されています。
まず万歩計機能。
外で遊ぶ事が仕事の子供たちにとって自分がどれだけ動いたかは1つの勲章に
すらなり得ます。
普通の万歩計ではトータルの歩数しか表示されないのに対してポケットピカチュウ
は1週間の日ごとの記憶が可能です。
競い合う相手がいる子供たちにとってそれは遊びをより真剣にさせるための重要
なファクターになり得ます。

また、ピカチュウは夜の9時になると寝てしまいます。
9時を過ぎるとピカチュウと遊ぶこともできなければピカチュウに電気をあげる事
すら出来なくなります。
これは親御さんたちが子供を寝かせるのにとても良い材料になります。
「ほら、ピカチュウも寝ちゃったからもう寝ましょうね」と言った具合に。
他にも「入浴」「食事」「歯磨き」などの動きが用意されており、子供の躾と言った
面でも大きく役に立つと考えられます。

で、ゲームが躾にまで口を出すのか?と言った疑問もここでは浮かび上がります。
この場合もっとも効果を発揮するのは「面白さ」ではなくて「大人受け」になります。
任天堂は子供の遊びとしてまっとうな物を作っているというアピールを大人に与え
る事により、企業イメージをあげる事に成功しています。
もちろん、食事や入浴などの動作が常に気になってしまう部分ではコミュニケーション
ゲームとしての楽しさを伝えきっています。
(ゲームに興味の無いウチの母ですら「ピカチュウ今なにしてる?」なんて聞くくらい
ですから(笑))

他にも「丸みを帯びた形状」や「時計機能」「ピカチュウというキャラクター」等、特筆
すべき点は何点かあります。
ある意味ではゲームウオッチで培った技術の練りなおしと言っても良いかと思います。

なにはともあれ、ほとんどの人には予想以上に面白い出来の物だと思います。
機会があったらお試しあれ!。