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太陽の塔はスゲエ

皆さん、太陽の塔をご存知ですか?
大阪万博の象徴ともなった岡本太郎作の何だかサッパリ分からない塔です。
案外、名前だけ言われても分からない人って多いみたいですんで、珍しく写真なんかを付けてみます


裏側にも顔あったんですね・・・。
(写真撮った日が小雨降ってて絵的にはイマイチです)

それはさて置き、太陽の塔。
見た人の感想は「何だか分からない」がほとんどだと思います。
他には「怖い」とか。
あと、こーゆーのを見せられるとすぐに投げ出しちゃう人っていますよね。
「私には芸術なんかはサッパリ分かりませんから。
こーゆーのが良いのか悪いのか見当が付きませんけど、大したもんですね」
とか言っちゃう。
分からないんだけどお世辞も言わなきゃならないから「大した物」とか言っちゃう。
そういうタイプの人にも分かり易いように太陽の塔の凄さを解説しようと思います。
芸術とかとは関係無くても太陽の塔は凄いんだと言うのを、納得していただきます。


その1 大きさが凄い
デカイんです、太陽の塔。
みんな全景しか見てないから、比較する物の大きさが分からないんですよね。
割りと小さいと思ってる人が多いみたいです。
どのくらいデカイかと言うと・・・

このぐらいデカイ。

赤い丸で囲まれているのが俺(身長170cm)です。
物凄く遠いところから撮ってもらいました。
本物見るともっとデカイ事が分かると思います。
実はこの大きさにはちょっとした逸話があります。
この太陽の塔があった周辺は「お祭り広場」と名づけられ、当時としては世界一の大きな屋根が取り付けられてました。
その高さが30m。
事前打ち合わせで「ここに30mで屋根を作りますよ」と説明してあったにも関わらず、岡本太郎が持ってきた太陽の塔の企画には高さ70mの記述が!。
いくら頼んでも岡本太郎は譲らず、しょうがないんで屋根まーるく空けてド真ん中に太陽の塔(笑)。
(太陽の塔のスペックには65mってなってるんですが、俺の記憶じゃ70m)

その2 勇気が凄い
考えてみてください。
例えばあなたが日本を代表する芸術家だったとして、国家プロジェクトのテーマプロデューサーをやったとします。
たとえ、思いついたとしてもこんな物を作れますか?。
怖くて作れませんよねぇ。
怒られるの目に見えてますもん(笑)
怒られるの分かってるのに物凄いお金を投入してこんなものを作っちゃう。
やろうと思っても周りが100%止めるでしょ?。
でもやっちゃったんです、凄いっす。

その3 訳わからなくて凄い
太陽の塔って、なんだと思います?。
分からないですよねぇ?。
分からないんですよ。
ちょっと紙とペンを用意してやってみると分かると思うんですが、何だか分からないものって考えるの大変なんですよ。
大人になればなる程、物の形のイメージが固定化して変な物は描けなくなって行く。
絵心があれば尚更です。
ところが太陽の塔は日本を代表する芸術家が作ったのに、初めて見た人がみんなしてこう言います「なんだ?これ?」。


大阪万博は当時、国家の威信をかけて取り組まれた大プロジェクトでした。
冷戦下にあったソ連とアメリカが張り合い、トンがった建物とドーム状の物を作っちゃったり、日本国内からもCGやらバイオテクノロジーやらを展示していました。
あ、アメリカは月の石なんかも展示してましたね。
当時はインターネットなんてものは無くて、恐らく想像すら出来なかったと思います(注1)(そもそも当時のコンピュータの一般での役割は計算機でした)
ロボットなんかも展示してあって、当時の子供は当時の子供の知識の中のロボット像と照らし合わせて「こいつはスゲエや!」って状態だったようです。
当時の人達は初めて間近で見る外人さん(笑)と共に展示物にグローバルな未来を
夢見ていました。


さて、ここで問題です。
当時の人達にとって太陽の塔とは「グローバルな未来」を夢見させてくれたのでしょうか?。
月の石やロボットのような「こいつはスゲエや!」感を抱かせてくれたのでしょうか?。
答えはノーですよね。
あれを見た人はただひたすら、こう思ったに違いありません。
「なんだ?これ?」

さて、ここで問題です。
当時の人達にとって驚きの対象だった月の石やCG、当時のロボットなどを見て、
現代の人で同じように驚く人はいるでしょうか?。
答えはノーですよね。
でも、太陽の塔を初めて見た人はいまだにこう言います
「なんだ?これ?」


太陽の塔って凄いんですよ。
30年経ってもみんなの感想が変わらないんですよ。
大人も子供も、芸術家も技術屋も、金持ちも貧乏人も。
人前じゃ取り繕うかもしれませんが、みんな心の中で思ってる。
「なんだ?これ?」って。
私は芸術が分からなくって・・・なんて言って何も考えない人も、思わずこう言っちゃう。
「なんだ?これ?」って。
1度で良いから本物見てください。
言っちゃいますから、「なんだ?これ?」って。
俺としては世界3大変な物の1つとして、推薦したいところです(注2)

注1)
国防省や大学をつなげたARPANETはありましたが、
20世紀中に一般家庭に普及するとは思ってなかったはずです。

注2)
あとの2つは内緒です。

追記:
アクセス数多かったんで怖くなって色々と確認してみました。
(メインプロデューサーじゃ無くてテーマプロデューサーだったらしいです。直しました)
自分のオリジナルで書いたつもりだったんですが、かなり岡本太郎(&岡本敏子)著作
の本の影響受けてたみたいで、部分的には「ただのパクリじゃねーか!」みたいな
トコロも見受けられます。

軽く分かりやすく読めるような工夫はそれなりにしてあるんですが、ちょっとでも興味を
持って頂けた方には岡本太郎さん、敏子さんの本をオススメします。
(そっちの方がより詳しく分かりやすく面白く書いてあります)
初心者向けなのは
「今日の芸術」光文社文庫
「芸術は爆発だ! 岡本太郎痛快語録(岡本敏子著)」小学館文庫
辺りでしょうか。(一応、下にアフィリエイトのLINK張っておきます)
岡本敏子さんのフィルターを通した方が客観的で素敵に読めると思います。
俺自身、特に芸術家でも絵描きでも無いんですが非常に面白く読めました。
是非とも!。